初の天皇杯で三回戦進出。そして相手は浦和レッズ。戦いの場は聖地浦和駒場スタジアム。創立から10年ちょっとのクラブにとっては感慨深いものがあります。
チームはリーグ戦で苦戦を強いられてますが、引き分けのない一発勝負のトーナメント戦では何が起こるかわからない。絶対に負けられないプレッシャーのかかる相手と、失うもののないチャレンジャーの我々。沢山のレッズサポーターが入ったスタジアムも、我々にとっては貴重な経験であり、気持ちが入る舞台演出でもあります。
先発メンバーはこの所出場が少ない選手が中心。けれど誰もが十分に今シーズンを戦ってきています。
守ることに意識を置いたであろうチームの試合の入りは硬く、このままシーズン前のトレーニングマッチのような守備一辺倒の展開になるかと思いきや、10分を過ぎる頃にはいい形でボールを持って攻撃を仕掛け始めます。
浦和の関根選手が試合後に語ったように、相模原の最終ラインは5枚がフラットに並び、レッズの選手がサイドの選手を誘って釣り出そうとしてもその手にはのりません。
試合終了が近づくにつれ、これは何か起きるかも?という空気がスタジアムに流れ始めます。そしてユーリが交代で出ると、カウンターの迫力が増し、いよいよこれはあるかも・・・と。
しかしあと一歩というところまで迫りながらも、カウンターからミスを突かれ、交代出場した売り出し中の浦和の宝刀 キャスパー ユンカー選手に一振りで試合を決められてしまいました。
高い集中を持って守ることができても、点を奪うことができない。サッカーは最低でも1点は取らないと勝利を得ることができない。トーナメントにはPK戦があるので、守り切っても、もしかしたら勝利があったかもしれない。でも週末に沖縄で始まる後半のリーグ戦では必ず得点が必要になります。
どうか信じて欲しい。
自分の力を、仲間の力を、分析を、采配を、流した汗を。
選手を、監督を、スタッフを。
俺たちは戦える。たとえ守る時間が長くとも、引いて守るチームだと揶揄されようとも、それでここまできたし、それを続けてきたから今ここにいるんだ。
全てを信じて、前へ。
text & photo by hori