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真面目にサッカーをやってきた人にとっては常識らしいのだけど、体育館のマットでオーバーヘッドキックの練習をしたのがサッカー人生のキャリアハイである人間には非常識というのが結構ある。この散水がまさにそれ。
試合前にピッチに水を撒くとか、撒かないかとかあるんだけど、撒く方が普通らしい。何もなければ通常は水を撒く。スタジアムで観戦している方なら、試合前や、ハーフタイムにも撒いている光景をみるんじゃないかと思います。
この『水を撒いたピッチ』と『乾いたピッチ』というのは全然違う。僕みたいなオーバーヘッドキャリアの人間が、たまにピッチの外に転がってきたボールを蹴り返そうとするんだけど、端から真ん中まで転がるのがやっと。頑張って力を込めて蹴っても選手みたいなボールは転がらない。それに真ん中といってもピッチの長い辺の端から真ん中じゃなくて、横というか、短い辺の端から真ん中。蹴る度にJリーガーへの尊敬が増すばかり。
ところが雨が降ったりしてピッチが濡れていると、スルスルと転がって、反対側の端近くまで届いちゃう。今度は加減して蹴らないと強すぎる。突然サッカーの神様から黄金の右足を賜ったか?と錯覚するレベル。
濡れてるか、否か。僕が蹴ってこれなんだから、Jリーガーが蹴った時の差というか、その違いははるかに大きいだろうし、ゲームにもすごく影響してくると思う。だから、相手のパス回しの技量を認めその良さを消そうと乾いた状態にしたり、自分たちが相手を上回るボール回しをしようと水を撒いたりという戦略的な散水というのがあるようです。ただこの辺はチームの考え方次第だから、必ずといったわけではないようですが。
そういえば新潟戦だったか相手の監督が「水が撒かれずに芝が乾いていてボールが転がらずに・・・」というようなコメントをしていた覚えがあります。それにこの試合は風も強かったから、アルビレックスからすればいつも通りに試合を運ぶのは難しかったと思う。
それに思い出すと、去年、秋田とホームで対戦したときにGK三浦選手が秋田のGK田中選手に「あそこでファンブルしたでしょ?」というと「だってあそこボールの滑り方が全然違って・・・」みたいな話をしてました。散水でも、手撒きだったりすると、ムラができて、転がったり転がらなかったりということがあるみたい。
ちなみに今シーズン、僕がみた限りでは、アウェイ栃木さんは水を撒いてなかったです。甲府さんはナイトゲームでもハーフタイムにたくさん水を撒いて、危うくピッチサイドに置きっぱにしたカメラが濡れるところでした。
と、こんな風に散水からお互いのチームが相手をどう分析していて、どう戦おうとしているか窺い知ることができます。次にスタジアムに行く時には『散水』にも注目してみてください。